717人が本棚に入れています
本棚に追加
「早紀…やっぱりどこかへ行こう。久しぶりに2人で過ごそうか…」
「…うん!」
早紀の顔が、ぱっと明るくなったのを確認した。
約束を交わすと、実(みのる)はまた、バイトへ行った。
そして、早紀の誕生日の前日まで、毎日通いつめていた。
2人の関係を知っている店長は、早紀に度々、好きなようにさせてやれ、と言っていたが…
日に日に、実(みのる)の労働時間は長くなっていく。
早紀がバイトを始めた頃は、終わりの時間を合わせては、夜の1人歩きは危ないから、と一緒に帰っていたが、最近はそんな事すらしない。
ただ、早紀と上がり時間が同じバイトの人に、アパートまでの送りを頼んで…
(そこまでしてバイトしなくても…)
そう思いながらも、時間は過ぎてゆき、早紀は誕生日を迎えた。
.
最初のコメントを投稿しよう!