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スーツを身に纏い、緊張した面持ちで壇上を見つめていた。 無事に高校を卒業した早紀と実(みのる)は、その1ヶ月後、桜ヶ丘短大へ入学した。 保育科である桜ヶ丘短大は、男性が少なく、学生のほとんどが女性だ。 「ここまで男がいないと、やりづらいな…」 入学式が終わり、ごった返しているホールを見回し、実(みのる)がため息を吐いた。 「一緒に授業受ける中に男の人4、5人だって…さっき隣にいた子が言ってた。」 噂には聞いていたが、こんなに男子学生が少ないとは思っていなかった。 まだまだ、男性保育士は少ないのか… と、そこへ、今話しの中に出てきた学生が声をかけてきた。 「いたいた!あのね、授業受けるのにグループがあるんだって!」 「えっと…美鈴、だっけ?もしかして、入るときに貰った一覧?」 「あぁ、貰ったなぁ。…俺は④だったけど…」 実(みのる)は、手に持っていた授業の一覧表を見て言った。 .
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