木ノ葉(コノハ)と言う少女

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あぁ…主人の美しさについてでしたね。 主人の一番の魅力は、あの魂の在り方にありませう。 静かに感情を内に秘め、その小さな身に均等に循環させる。 その様に、私は感嘆致しました。 過不足が何処にもなく、綺麗に循環させるというのは、中々出来る事ではない。 あの年で、あそこまで達観した感性を持っていらしたていうこと事態に感服致したい。 私が生きた93年の人生ならぬ猫生の中で、初めて主人と認めた一人の人間。 あれは、主人が何かに悲しんでいた雨の日のことでした 主人は私を腕に抱き、静かにお泣きになった。 思えばあれがかの家に招待された初めての日でした。 主人は泣いた赤い目に菩薩の如く微笑みを讃えながら私を家族らしき三人に紹介されました。
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