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「…この子を飼いたいの。お願い、飼わせて。」
「…木ノ葉。母さんが死んで悲しいのは判る。だが、だからといって何故そんな猫を飼わないといけない理由になるんだ。」
一番年配の小男が言った。
はっ、こんな小男の言うことなぞ、聞く耳を持つこと事態無意味である。
私は、かの小男を静かに威嚇致しました。
小男はあからさまに嫌な顔をしましたが、私は寧ろ誇らしげに主人の腕に抱かれていましたとも。
すると背の高い女が小男に
「いいじゃない。木ノ葉だって寂しいのよ。…私だって寂しくないなんて言ったら嘘になるわ。」
と諭すように言われました。
眼鏡をかけた青年は眼鏡をかけなおしながらも柔和な微笑みを浮かべて言った。
「父さん。いいじゃないか。木ノ葉は僕達と違って小学生だよ?まだ母さんが必要な時期だ。僕達だけで母さんのかわりが出来る自信が父さんはあるのか?」
小男は狼狽えるように眼鏡の青年と私を交互に見つめ、そして
「…母さんのかわりは俺がする。心配するな。」
と少し不機嫌そうに言った。
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