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木ノ葉はその後、その白い猫に何度も魚をあげにいった。
時には奮発して、取れたてな魚をまるまるあげることもあった。
そんな事をしているうちに、その猫の奇妙な特徴を見つけた。
魚をまるまるあげると、決まって鱗から綺麗に食べるのだ。
「…貴方って、魚の鱗が好きなんだね。やっぱり、変な猫だよね。」
あんな固い鱗なんて、食べてて美味しいのだろうか?
初めあげた時には、失敗したと思ったぐらいだったが、その猫は意に返さずに綺麗に平らげてしまった。
木ノ葉は少し思案げな顔をすると微笑み、
「うん。これからは貴方を"うろこ"って呼ぼうかな。…んー…でもちょっと語呂が変かな?」
木ノ葉はその猫を抱き上げた。
「…貴方、雄猫だったんだ。じゃあこが最後に来ると女の子みたいだから…」
「うろこって書いて鱗(ウロ)ってどうかな?」
それに対し、猫は一声にゃあと鳴くだけだった。
木ノ葉は微笑み、たった今命名した猫の喉を撫でてやる。
猫は嬉しそうに喉を鳴らした。
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