名取 丈

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「いえ…そんな…私はこのままで結構です」 「まあ…そう言わず座りなさいって」 丈は上官の言う事なので渋々了承した 「は…はぁ…なら遠慮無く」 丈は陸佐の目の前に座った 「ところで丈陸曹…今日本の自衛権が揺さぶられつつあるのは認知していると思うが…来年あたり大きな変革があるんではないかと私は読んでるんだが… 君はそれについてどう思う?」 「はぁ…と言いますと?」 「まぁ正確に言うと自衛権の軍事権移動って事だ」 「軍事!?と言う事は自衛隊が無くなり軍隊化すると…」 「まぁ…そう言う事だ…君はもしそうなったとしても自官を辞めるつもりはないかね?」 「はぁ…私の職務は日本を守る事だと心得ております 名前や法律が変わったとしても私の心構えは変わりません」 「そうか…それを聞いて安心したハハハ そうだ君の配属部隊は後日連絡しよう 今最新鋭のM.A部隊と言う物を作ろうと上層部と話あっている おそらくそこへ配属となるだろうけど」 「M.Aですか? それは…」 「君も知ってると思うが今や作業用に普及したあの人型ロボットの事だよ あれに改良を加えて軍事用に活用しようって事が今検討されている 君を含め隊員にはエリート集団を投入しようと思ってるんだ まぁエリートと言っても学歴とかでは無く反射神経や運動能力においてのだがね…」 「…何でも戦争の道具ですか…」 「いや…馬鹿言っちゃいけないよ あくまでも効率的に国を守る為だよ コストや燃料費は今の20式の戦車より安く機動性も上回っている しかも…1人乗りだからね 人員削減にはもってこいだ」 「そうなんですか… そりゃ楽しみだ」 「名取陸曹今日はゆっくり休め!明日から皆と同じく訓練に励みたまえ」 「はっ!では私はこれで」 名取は席を立ち部屋を後にした 名取 (M.Aか…もうそんな時代になったんだなぁ) 明日の不安もよそに疲れた体を屯舎のベッドへ横たわらせた…
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