プロローグ

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「お兄ちゃん!早く早く~!」 俺の名前は坂井純也。 今年高校に入ったばかりのだ。 「わかった、わかったからそんなに叫ぶなよ…」 やかましく叫ぶ彼女にいうと ためいきをついた。 この炎天下の中俺は妹…一夏に連れ回されていた。 一夏は中学3年生。今年受験生である。今俺がなぜ連れ出されているかといえば長くなるのだが、ようするに妹のとある買い物に付き合っていた。 「はぁ…なんでこんなくそ暑い日に参考書かいにいかねばならんのだ…」 今日何回目になるだろうか? もはや連発しまくっているため息すると空を見上げる。 ……… …… … 快晴だ。雲一つも見当たらない。なにもこんな日にでなくてもいいだろうが。一夏め。 そう思いにふけっていると 「お兄ちゃん!早くしてっていってるでしょー」 と一夏の罵声が浴びせられる。正直たまったものじゃないな。 「はぃはぃ…わかったよ…」 半ば一夏と天気を恨みながら 後を追いかけた
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