プロローグ

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所々店はあることにはあるのだがまだ目的の店までは遠い。 やはり自転車でくるべきだったと俺が後悔していると 「お兄ちゃん、あれおいしそうじゃない?」 と、我が妹一夏は一件のソフトクリーム屋を指さしていた。 一夏にいわれなかったら見逃していただろう。商店街の中では比較的地味で隅にポツンとたっていたからである。 「ねぇ、食べてみない?」 そういう一夏はすでに財布を取り出し始めている。 「そうだな…」 ソフトクリーム屋を見つめながら考える。正直いうと体は甘いものをほっしていた。この後のことがなければ即購入、即食べだっただろう。 だが… 「いやだめだろ。参考書どうするつもりだ?」 俺の口から拒絶の言葉がでていた。金がなく買えなかったら俺はなんのためにきたかわからなくなるからな。我ながらいい判断だと思う。
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