ドッペルゲンガー

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電車が駅に到着する。 ようやく降りられるんだ。 とりあえず電車から早く降りたくて仕方なかった。 電車のドアが開くと俺はバッグを掴み、急いで電車から降りた。 降り際に、走って電車に乗ってきた男と肩がぶつかってしまった。 「あ、すいません」 と言いながら振り返った。 アゴのホクロも、小さい頃の傷跡の大きさも形も全く同じ。 電車のドアが閉まる瞬間ニヤリと笑ったその男は、間違いなく俺だった。 俺は電車が去った後も、しばらくホームに立ちすくんでいた。
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