神は決して許さない

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タクシーに乗せられ、しばらく走ると大きな建物が見えた。 「さくらホスピス」 ホスピス・・・? 男は無意識に口に出した。 すると中年の女が慌ててこう言った。 「いやだ、お父さん、心配することないのよ。ちょっと病室がなくて、ホスピスしか病室が空いてなかっただけだから、大丈夫よ」 男は全てを理解した。 今の自分の姿も。 全身の痛みも。 ホスピスに連れて行かれる理由も。 神は全てをやり終えたと言った俺を、人生の終わりの地点へ連れてきたのだ。 神は俺の願いを叶えたのではない。 罰を与えたのだ。 男にはもう、どうすることもできなかった。 女に手を引かれるまま、真っ白な部屋に通され、そこで残りわずかな時間を過ごした。
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