~ハジマリ~

2/2
33人が本棚に入れています
本棚に追加
/94ページ
--------周りは暗闇ばかり。 一人の少女はそこに何かをするわけでも無く、ただ存在していた。 その暗闇の中に見つけたのは、赤い紐にぶら下がった金色の鈴。 少女はゆっくりとその鈴を見た。 鈴は段々近づいてくる。 すると急に弧を描いた口が見えた。 体は黒いマントで覆われていた。 その黒マントが口を開いた。 「ようこそ。不思議の国へ。」 黒マントの声は意外と若い青年の声だった。少女と年が近いようだ。 少女は首を傾げた。 「不思議の……国?」 その少女の言葉に、黒マントは頷いた。 「僕はチェシャネコ。君に、お願いがあるんだ。」
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!