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親父は俺の熱い視線を感じたのか口を開きだした。
「太郎、何食う?」
と言いメニューを差し出した。
えっ?それだけ?他に言うことは………?
「桃子もセラも好きなもん食えよ」
「はーい!セラはねハンバーグ食べたいなぁ」
あぁ子供は無邪気だ、ん?どこそか桃子がモジモジしだした?
「貴一郎さん……」
親父を見つめて何か言っている。
「おっお前太郎とは初めてなのか?」
おぃ!さっき初めまして言ってたの聞こえなかったのか!
「ちょくちょく俺の荷物取りに帰ってるときに会ってるとおもってたよ。」
えっ?どういう事だよ!親父?
「あぁ~実はな、今俺桃子の家で暮らしてんだよ!」
はっ?どういう事だ?
「半年ぐらい前になスナックで働いてる桃子と意気投合してそのまま家に行ったら居心地がよくてな」
言ってる意味はわかるが桃子さんはそれでよかったのか……親父酔うとたち悪いし
「で、その流れで俺たち結婚することにしたんだ!」
ヴぇ?
桃子さんは頬を赤らめてうつむいている。
本当なのか?戸惑いを隠せない俺。勢いで小指をテーブルの角にぶつけてしまった。
「だいじょぶかぁ?たろにぃ」
セラちゃんがテーブルの下から顔を出している。
「まぁ五年前の今日は前の母さんとの離婚した日だけど新しい母さんがやっとできたから太郎もいいだろ!」
まぁな。いつもいい加減な親父だから俺はなんも言わず認めた。
そしてこれから新しい生活が始まるのだった。
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