第一章~それぞれの闇~

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 部屋の中に目玉焼きを焼く音と香ばしい匂いがたちこめる。  レイが朝食をテキパキと作っていく。目玉焼きの入ったフライパンの横のガスコンロには味噌汁の入った鍋が置かれているこちらはもう出来上がっているようで火は止めてあった。  レイが朝食を作っている間ドラグーンはテレビの画面をただボンヤリと眺めている。  四角い画面の中ではニュースキャスターが黙々と昨日起きた、事件、事故、政治、芸能等のニュースを伝えていた。  そんな中、ドラグーンは今日何回目かのあくびをして、食事の催促をする。 「レイ~、ご飯まだ~?」  相棒の催促にため息がついつい出てしまう。 (どうしてエネルギー摂取の必要のない精神龍が飯を欲しがるんだろう?)  心の中でいつものぼやきを思いながらもフライパンの目玉焼き二つを切り分け、皿に乗せる。そしてリビングの丸テーブルに自分の分のご飯と味噌汁、目玉焼きを置いてく。ドラグーンには目玉焼き一皿を置く。ドラグーンは自分の前に置かれた目玉焼きに今にも飛び付きそうである。 「それでは、いただきます」 「いただきま~す」  今日も食前の挨拶を二人で言った。
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