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目の前で起こっているこの現象を説明出来る自信が無い
現実とは程遠い、アニメに出るような大蛇。
俺を襲う筈だったその大蛇は、小学生ぐらいの少年に踏みつけられている。
中学での3年間が終わった。
仲の良かった友達
良くなかった友達も次へのステージに向かう。
無論、この俺も。
名前は大空 鷹(オオゾラ タカ)
少しはねた黒髪に茶色の瞳。
頭普通。ルックスも多分普通。
他人と違うといえば
昔、爺に叩き込まれた武術と並外れたその運動神経から、喧嘩に滅法強いぐらい。
平均的な鷹は何の苦難もなく高校が決定した。
志望理由は自宅から近い。
歩いて10分、これ以上は無いといった具合だ。
と、話している間に
校門前にと着いた。
『朱雀学院』
入学おめでとうと書かれた看板に出迎えられ、中にと入る。
朱雀学院は新設校だ。
5年前に建てられたばかりで、まだ伝統らしきものも無いらしい。
ただ設備は最新式で
校風も基本は自由。
制服の着用は義務だが、髪を染めようがピアスをつけようが文句は無い。
それに惹かれてか、新設ながらに男女ともに人気校の1つとなっている。
此処のクラスはコース分けになっている。
自分のタイプに合った学科を選ぶことで、長所を伸ばす目的だそうだ。
付け加えるなら
鷹は『普通学科』。
最も一般的な5教科を中心にした授業だ。
「写真だけじゃ実感湧かなかったけど
広いな~」
ヨーロッパをイメージさせる造りの校舎
広い中庭には綺麗な花
まるで此処だけ別世界みたい
そんな事を思いながら校舎に繋がる道を進む。
校舎前ではすでに人だかりが出来ていた。
「生徒の皆さんは
予め渡されている合格通知を各校舎の先生に渡し指示に従って下さい!」
拡声器を使用しながらこの台詞を何度も繰り返している。
その指示に従い
バックから自分の合格通知を取り出して、人だかりにと入る。
ぎゅうぎゅうと押される人の波に我慢しながら進む。
ドンッ!!
「あ、すいません」
波に押された生徒とぶつかる。
その拍子に落とした合格通知を、その子は拾い上げ手渡してくれた。
「ありがとう」
感謝の言葉を聞くと
その子は一度お辞儀をして、再び人の波にと消えていった。
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