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「月宮神社境内」
紅が亡くなってから四十九日の時が流れた…。
司:…………ふう。
一真:お疲れさん。
司:本日は御足労していただき、誠にありがとうございます。
深々とお辞儀する。
一真:他人行儀な挨拶はやめてくれ、当然の事だ。
司:当然の礼儀ですよ。
一真:…あれからもう四十九日か…早いものだ。
司:ええ…今でも不意に帰ってくるんじゃないかと思ってますよ、何も無かったかのように、それだけ急でしたからね…。
一真:藍君は息災か?
司:はい、健やかに育ってますよ、なかなかお転婆になる予感がします。
司の言葉に少し汗をかく。
司:なにか?
一真:いや…何となく嫌な予知が…女の子らしく育って欲しいな。
司:あははは、大丈夫ですよ、何たって紅の娘なんですから。
一真:…(だから不安なんだよ!)
心の中でそう呟く。
司:そろそろ戻りましょう、いつまでも静さんに藍を預けて置くのも悪いですし。
一真:ああ。
司、本殿に入る。
一真:…少しは元気になったか…だが少し無理してるな…次に来る時には酒でも差し入れてみるか。
司:どうしたんですかー。
一真:なんでもない。
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