序章

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一真:お茶でも飲んで落ち着きなさい。 お茶を煎れて司に差し出す。 司:はい…。 ブルブル…ガタガタ…。 手が震えて上手く飲めない。 一真:やれやれ…まあ気持ちはわかるけどね。 司:やはり一真さんも同じように? 一真:うむ…今の司君と同じだよ…オロオロするだけだった…父上に怒られてしまったよ…「これから一条を背負い、跡取りを育てなければならないのになんて樣だ!」ってね。 一真は肩をすくめる。 司:玄馬殿に…流石は父親ですね。 一真:後から聞いたら父上も私が産まれる時、同じようにオロオロするだけだったみたいだけどね。 司:あははは…出産の時、男性は駄目ですね。 二人して溜息をつき、俯きながらお茶を啜る。 司:その父上の話はどなたから? 一真:早乙女の鈴さんだ、今は私の義理の母のね。 司:あぁ~成る程、それなら不思議はありませんね。 一真:当時は仲が悪くてね~私も骨が折れたよ。 司:結婚まで随分と波乱だったそうですね、まるでお芝居のように。 一真:恥ずかしいからその話はやめにしよう。 司:聞かせて下さいよ。 軽く綱引き状態。
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