序章

4/7
前へ
/80ページ
次へ
「月宮神社境内」 早雲:せい!せい!せや! 木刀で素振りをする少年、彼が一真と静の一子、早雲である。 水牙:いつも精が出ますね。 それを横から見る早雲より少し年上の水牙、早乙女神社の跡取りとして養子になった少年である。 早雲:剣の道は一日して成らず、一日一日の積み重ねが大事だって父さんが言ってた、お前だって習ってるんだろ? 水牙:ええ、鈴さんに師事を受けてます。 早雲:じゃあ稽古に付き合ってくれよ、一人じゃはかどらんからさ。 水牙:私も稽古中ですよ。 早雲:座ってるだけじゃねぇか。 水牙:これは座禅と言って、精神を鍛える方法だと伺いました、これを続けると霊力が上がり、あらゆる事柄に柔軟に対処出来るようになるそうです。 早雲:…よくわかんねぇけど…霊力が上がるなら俺もやってみるか。 水牙:どうぞ。 隣を少し空ける。 早雲:ああ、少し待ってくれ、まだ稽古に区切りがつかんから、きちんとやらねぇと気持ち悪くていけねぇからよ。 水牙:成る程、お気持ちはよくわかります。 早雲:そんな訳だからもう少し素振りするぜ。 今でも続く友情はこの時から変わらなかった。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加