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「みんなで旅行に行きましょうよ!!」
クレアの言葉を聞いて始めに思ったのが、
(……しばらくは退屈しなくて済みそうだ…)
だった。
あの決戦が終わってから3ヶ月が経った。
平和なのは良いことなのだが、どうも面白くない。
一応毎日スニースやマルアスと訓練はしているのだが、最近は飽きてきていた。
なので突然「旅行」なんて言葉を聞くと好奇心がわくものだ。
そんな気持ちを抑えつつグロウはクレアに聞いた。
「……皆というと?」
「……まだ決めてなかったわ。…ちょっと待ってて!」
と言ってクレアは隊舎から出ていった。
(…なんで隊舎から出る必要があるんだ…?)
「旅行ですか。良いかもしれませんね」
いつの間にかウィルが近くに来ていた。
「おお、びっくりした。……聞いてたのか?」
「ええ。皆ですか……第3隊だけで行くんじゃないですか?」
「さあな。あいつの思考回路は理解できないし……。そもそもどこに行くかが決まってなさそうだぞ」
そのとき、いきなり無線の通信が入った。この声は……ミュセルだな。
『今ナクセ・キャムにいる方だけで構わないので、至急作戦室に来て下さい!!』
「…? なんでしょうか?」
「俺に聞かれても困る。とりあえず行くぞ」
そう言って隊舎のドアを開けた。
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