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どうなってるんだ……Bまで犠牲に……。流石にリーダーも驚きを隠せないようだ。
「隊長。次は私が行きます 」
しっとりとした女性の声が響く。それはA、俺たちの紅一点だ。
「だが……お前まで犠牲にするわけには……」
リーダーが苦しそうに言う。そりゃそうだよな、Aまでいなくなったら後に残るのは強みにない俺だけだからな……
「だいじょうぶですよ。私は戻って来れます 」
穏やかに微笑むA。そんなAにリーダーが問いかける。
「勝算が……あるのか? 」
「あら、隊長とあろうお方が気付かなかったんですか? 」
「どういうことだ? 」
「通信機からの音を聞くかぎり、あの建物には恐らく男性はいません。そしてCとBの最後の言葉…… 」
その言葉にリーダーは何かに気付いたようにハッとした表情になった。
「なるほど……そういうことか 」
「はい。隊長、許可を 」
少し考えた後、リーダーは許可を出した。Aは俺に後は任せましたと言うと「魔法の館」へ歩いていった。
『失礼します 』
通信機越しにAと女の声が話している。そこに割り込むボーイズソプラノ……
『……ショタ……ですって……』
黄色い悲鳴がノイズの中に消えていった。
そしてAも落ちた。
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