「にゃう」「狐」「提灯」

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間違いない、猫だ。助けないと……そう思った俺は段ボール箱を持ち上げ 「にゃあ……あ、やっとのけてくれた」 「人かよっ」 投げ捨てた。なんだこいつは。 「ちょ、ひどーい。せっかくアタシが可愛らしい声でにゃあにゃあ言ってあげたのにその反応はなくない?」 「うっせぇ俺のわくてかを返せっ。猫だと思ってどきどきした俺の時間を返せっ」 「見てよ見てみて。何処からどう見てもかわいい猫じゃない?……こんこん」 「どこが猫だっ、どこからどう見ても人間な上に今こんこんって言ったじゃねぇかっ、こんこんって狐だろお前っ」 「狐は気のせいよ…こん……。っていうかかわいい子なんだったら別によくない?」 「……女の子……それもそうか」 たしかにちゃんと見てみるとこの自称猫、かわいい。それもかなり。 「……単純ね」 「かまわんっ。そして俺はお前を拾ってもいいのかむしろ拾わせろっ」 「え……あ…えっとね、拾ってってのは冗談で、手伝ってほしいことがあったんだけど」 「冗談かよっ」 「うん、だから拾われると困るかな。それで手伝ってほしいことがあってね」 少々引き気味な自称猫。引いた顔もかわいい 「困るか……残念だな。で、手伝ってほしいことってのは?」 とりあえず自称猫の話を聞いてみることにする。断るけど。 「えっとね、ここらへんで一番大きな明かりを一緒に探してくれない?」 「明かり?なんで?」 「うん、明かり。なんでかは秘密」 意味わからん。 「……なんで俺?他のやつらに聞けばいいじゃねぇか」 「たんじゅ……じゃなくてほら、他の人は立ち止まってくれなかったからさ」 「なんか言いかけたか?」 「気のせいよ」 「そうか。…逆さまの箱があったら普通スルーするんじゃね?」 「あっ…そっか。」 しまったという感じの顔になった女の子。この顔もかわいい。しかし… 「残念だが俺は今からバニラアイスを買いに行くからな。探しに行くのはむ…」 「だめ…?」 「おーけー、一緒に探しに行こうじゃないか」 うん。かわいい女の子が胸元で手をにぎりしめながらの上目遣いってのは卑怯だ。
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