親友の死

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俺は6歳までしか社宅に住んでいなかったのだが、彼と遊んでいた記憶は今でも鮮明に残っている。 今では親友と呼べる人も増えてきたが、最初に出来た親友は彼で、今でも親しくしていたかもしれない。 ……彼が生きていれば。 俺が引っ越す前に、彼の家庭で引っ越しの話が進んでいた。 それを知った俺らは必死に反対したんだ。 すると彼の両親も「仕方ないなぁ。」といった感じで引っ越しを遅らせてくれることになった。 しかしその後すぐ、俺は親の事情で大阪に引っ越した。 1997年の10月に。 父の都合上、兵庫には度々訪れていたし、彼ともよく会っていた。 しかしその三ヶ月後。 1997年(平成7年)1月17日に悪夢のような出来事が起きた。 記憶に新しい阪神大震災だ。 俺が住んでいた社宅は軒並み全壊。 彼もそこで亡くなった。
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