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「風」
そっと
空をのぞいてる
いつのまにか
ここにひとり
このイスに座り
ただ待っていた
季節は巡り
かわっていく
町並みに
心奪われた
私の周りを
風が通り過ぎていった
それらは自分の一部を
私に置いていった
私は歳をとり
何かを残せただろうか
と考える
私は重かった
あまりにも
重かったのだ
空は高く
森のざわめく音が
心地よかった
風になりたかった
風となり
秋空の下で
公園のブランコをゆらし
私は横たわる
凪となって
私は虚空に還る
いつしか大気が動きはじめるまで
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