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「アニキぃ…またですか…」
呟くように苦しげに声を絞り出したヤス。
武器を忘れるのは、今回だけでは無いようだった。
そして、いつものごとく?
道の端にあった道案内の看板に手をかける。
「セキ?おめぇ何してんだぁ?」
「ん♪ひっこ抜くんだよ~」
ソウエンは呆れた顔で語り出した。
「ふっ!良い事教えてやるよ」
「そんな道案内の看板は、悪戯されないようにだな
硬い土台が付いててそう簡単には抜けないよぅに…なっ…!?」
「んああぁああ!」
亀裂を生みながら盛り上がっていく地面。
バキ!
「ふん!」
気合いを込めて端の辺りで看板をへし折った。
「…そんな馬鹿な?」
「へっへへ!」
ソウエンの驚いた顔を見て誇らしげに笑うセキ。
出来上がった鈍器を振り回して確かめる。
空を切るスピードが只ならぬ力強さを表していた。
「よし♪コイツを【冷綺】と名付けよぅ!」
「はぁ!?」
凄いのか馬鹿なのかセキの事を理解しかねるソウエンであった。
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