ロリエン

6/6
前へ
/14ページ
次へ
入れ墨姿の男は顔を真っ赤にして、 セキの胸倉を掴むが …ヤスと呼ばれた長身の銃使いが2人の間に割って入る。 「止めて欲しいッス!2人共!」 「旦那、アニキの事はオイラが謝るッスよ!」 「これで勘弁して欲しいッス!」 そう言って、 クリーニング代にしては 多すぎるGを入れ墨の男に手渡す。 少しムッとしながらも 渡された金額を見て少し引き気味になる。 「お、おめぇが、そこまで言うなら今回は許してやらぁな…」 そう言いながらも 心の中では…… 《こいつは、良いカモになりそうだぜ!》 ニヤリと笑い良からぬ算段を企てていた。 「俺の名は、ソウエンだ! この辺りじゃ、ちっとは知られているはずだ!」 ふむふむと相づちを打つヤス。 当のセキはというと 「ほれ♪いくぞ~置いていくぞ~♪」 千鳥足で森に入って行こうとする。 慌てて追いかけようとするヤス。 追いかけながら ソウエンに、耳打ちをする。 「アニキを怒らす事だけは止めて欲しいッス。旦那も命が惜しいなら…」 そう言って、セキの後を追いかけた。 首を傾げるソウエン。 …怒らしたのはアイツなんだがな。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加