事件簿01

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難無くテストはクリアでき、ついにこの日最後の数学テストに差し掛かろうとしていた。 この時は当然、今朝のことなどきれいさっぱり頭からは消えていた。 「はぃ、はじめてください。」 先生のかけ声と同時に数学のテストが始まった。 カリカリ カッカッカッカッ コツコツ ビリッ 私はこの雰囲気は嫌いではなく、むしろ好きなほうである。 思っていたよりも手がスムーズに動いていた。 私は手応えを感じ、半ば余裕をかましだしていた。 そぅ、手とは別の部分もスムーズに動いていたとは知らずに‥‥…。 テストは後半の半ばに差し掛かかるにつれて徐々に難しくなってきた。 その時である。 ついに事件が起こった。 ぎゅるるるるぅ~‥… ( ̄□ ̄;)!!ハゥッ 何の前触れもなく突然に身がよじれる程の腹痛が私に襲いかかってきたのである。 コレはヤヴァい‥‥… トイレに行かねば「み」がもたない‥‥… 私はとっさに察した。 瞬時に残りの問題に目を向ける。 私は気付く。 トイレに行っては完答することはできない‥‥…。 しかし、行かねばもれる。 しかし、行ってはテストが。 ぎゅ‥・ぎゅ・‥ぎゅるる・‥ぐるぐる‥‥… 世の中は待ってはくれなかった。 そうこう思考を巡らしているうちに、腹痛は絶頂期を迎える。 ヤバい。何かが出る。何かがもれる。何かが顔を出す。もう迷ってる暇はない。 ゴクンッ‥‥… 私は人生最大のギャンブルにでることにした。 これがオナラであれば吉。 腹痛は若干収まり、多少の急場しのぎはできる。 しかし、「あれ」であれば凶。 瞬く間に世に広がり、私は一目を避けて生活する運命になる。 ‥‥‥‥すぅぅぅ~~ 前者であった。 私は人生最大のギャンブルに勝った。 溢れんばかりの安堵が私を包みこみ、私は勝敗の美酒に酔いしれていた。 あまりの嬉しさに自慢げな顔でさりげなく辺りを見回したりもした。 これで集中して残りの問題に取りかかれる。 そぅ思い意気込んだ瞬間であった。 最も恐れていた事態、第二波が私に牙を向け、襲いかかってきたのである。
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