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ディッグの振り下ろした斧を躱して、ディザは手をかざした。
手の平が赤く光だし、火の玉が現われた!
ドゴォン!!
火の玉をディッグに投げつける!小さな爆発が起き、もくもくと煙をあげた。
しかし、ディッグにダメージを与える事はできなかった。
スーツA「さすがの魔女も、呪装機兵相手じゃ歯が立たねぇだろ!お前の首をとれば『賢者様』もお喜びになるぜ!!」
ドカァ!
スーツAが操るディッグに蹴り飛ばされ、ディザは民家の塀を突き破った。
スーツB「おい、まだ殺すなよ?もしかしたら、すでに『封石』を所持してるかもしれないんだ」
スーツA「殺してから、身体調べればいいだろ?それより、俺等…間違えなく大手柄じゃねぇ!?微かな魔力を辿って…見事、魔女を見つけた!!きっと、賢者様から褒美を貰えるぜ」
話に夢中になっているスーツの男達に気が付かれないように、ディザは逃げ出した。
スーツB「逃がすかよ!」
ズン!ズン!!
重そうな見た目とは違い、猛スピードで追い掛けてくる!!
カオル(このままじゃ、捕まっちゃうよ!?)
ディザ「大丈夫だ!作戦があるからな」
ディザが逃げた先は…踏み切りだ。
カオル(電車で、跳ね飛ばす気!?)
ディザ「あぁ…あれだけパワーがある物に追突されたら、ひとたまりも無いだろう!」
カオル(でも、電車の中にいる人達は…?)
ディザ「…あれ、人が乗ってるのか?」
ズンズンズン!!
迫り来る二体のディッグ!そこへ…
ガァン!
ぐしゃぁあ…
車が追突した!車はペシャンコに潰れてしまった。
車から、血が流れだした…
カオル(うわぁぁぁぁ!)
ディザは、少し考えてから…踏み切りを走り抜けた。
カオル(電車は!?)
ディザ「私の世界では、カオルの世界で言う電車ってやつには、人が乗ってないんだ。乗ってると分かった以上…利用できない。逃げるぞ!」
カオル(……自分が死ぬくらいなら…他人を犠牲に…)
ディザは、走りながら怒鳴った。
「それは、人として最低の考えだ!…見損なったぜ!お前は、もっと『心』がある男だと…」
言い争う二人に、とうとうディッグが追い付いた!
スーツA「ちょこまか逃げやがって…」
スーツB「相棒、いい手があるぜ」
スーツBのディッグが、子供連れの女を発見した。
女「ひぃ!?」
ガシィ!
突然、目の前に現われたディッグ!驚いた女は、逃げる間もなく捕まってしまった!!
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