第2話…呪装

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突然、目の前に現われたディッグ!驚いた女は、逃げる間もなく捕まってしまった!! スーツA「おぉ~そういえば、あの魔女に関する資料に書いてあったな。『敵に対して容赦は無いが…民間人を巻き込むような戦い方ができない』って。相手の弱点を突くとは!知的だな」 カオル(あんなの、赤の他人だよ!人質にならない…) ディザは、逃げるのを止めてディッグの前に立った。 カオル(!?) ディザ「もう逃げない。その人、離せよ…」 ディザの行動が、カオルには理解できなかった。 カオル(なんで!?知らない人でしょ!?電車の作戦だって、やれば良かったじゃないか!) ディザ「そうは言うが…お前は、電車の中に人がいる事を心配したじゃねぇか?口ではそう言うが…本当は、違うよな?」 カオル(……) スーツA「何、ブツブツ言ってやがる?イカれてんのか?オラァ!!」 スーツAのディッグが、右手に持った斧を振り下ろした!とっさに躱したディザだったが…逆手の左手でディザを張り飛ばした! ガァン!! 壁まで吹っ飛び、身体を強打した。そのまま、地面に倒れこむ。 カオル(もう…ダメだ!) 諦めかけたカオルに、ディザが言う。 ディザ「カオル、私もあいつらみたいな『呪装機兵』を出せるんだが…さっきから、何度試してもダメなんだよ。たぶん、一つの身体に二人の精神があるから心の力『ケィオス』をコントロールできないんだ…私達が、心を一つにすれば逆転できるかもしれない」 カオル(心を一つにって…どうすれば!?) 困惑するカオル。 スーツB「よし!こんだけ痛めつければ十分だな。さて…こいつらは、もう用無しだ…」 捕まえていた親子を、真上に放り投げた!! 女「きゃぁぁぁぁ!」 女は、我が子を抱き締めて目をつぶった。 ディザ・カオル「!!」 ディザの首元が、赤く輝き出した。 それは、ほんの一瞬の出来事…光の中から、触手が飛び出し…ディザの真後ろに人の形をした『巨大な赤い鎧』を造り出した。 鎧の胸が開き、ディザを吸い込む。 スーツA&B「!?」 ダッ!! 赤い鎧は飛び上がり、空中の親子を受け止めた。 ズシィン!! 着地した赤い鎧…その姿は、宝石のような輝きを放っている。 ディザ「呪装…完了!単刀直入に言うぜ…テメェら、ぶっっ潰す!!」 赤い鎧は親子を優しく地面に降ろし、右手に持った剣を構えた。
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