第1話…魔女

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パチン! 女が、指を鳴らすと…たちまち、赤いドレスを身に纏った姿へ早変わりした。 カオル「いたたたた…結婚?何の話?それより、あなた誰なんですか?」 女は、微笑んだ。 女「私は…ディザよ。あなたの世界とは別の世界から来たのよ。よろしく…えぇ~と」 カオル「僕は、カオル…よろしく、ディザ」 自分より、少し年上といった感じのディザ。 自己紹介を終えたディザは、ようやくカオルの上から身体をどけた。 夢の中とはいえ、名前も知らない女の人と結婚するなんて… カオルは、ゆっくり身体を起こして苦笑いした。 ディザ「さて、夫が妻の為に身を粉にして働くのは当然だよな?」 ディザは、下心見え見えの笑みを浮かべた。 カオル「…えっと…僕に、何をさせたいの?」 ディザは、カオルの目をじっと見つめた。 恥ずかしくなり、カオルは目を逸らす。 ディザ「よう、話をする時は人の目を見て話すもんだぜ!」 ディザは、カオルの顎に指をやり、強引に自分の方へ向かせた。 カオル(うわぁ…なんなんだ、この人…暴力的だし強引だし、現実なら絶対に結婚したくないタイプだ) 等と、考えていると… ディザは、そのままカオルの唇を奪った。 …長いキスの後… 完全に硬直しているカオルに、ディザは言う。 ディザ「探している物があるんだ。それがなければ…私は、魂だけで彷徨い続ける事になる。もしかしたら、邪魔をする奴らも現われるかもしれないけど…私にまかせな!今から、私達は一心同体。 カオルは、私の為に… 私は、カオルの為に… ……」 ジリリリリリリリリリリ… 目覚まし時計が鳴り、朝がやって来た。 カオル「変な夢だったなぁ…」 ベッドから身体を起こし、しばらく呆然としていた。 が… ふと、手の中にあったハズの赤い石が、無くなっている事に気付く。 カオル「あれ?どこにいっちゃったんだ!?」 ベッドの上、ベッドの下を探すが…見つからない。 カオル「無い…いや、必ずこの部屋にあるハズだ。トイレにいってから、もう一度しっかり探そう」 カオルの姿が、洗面所の鏡に映る。 カオル「何、これ!?」 喉の少し下…鎖骨の間に、赤い石が輝いていた。
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