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首元で輝いているのは、確かに昨日貰った石だった。
カオル「なんで…石が、僕の身体に埋まってるの!?」
恐くなったカオルは、両親の寝室へ…しかし、二人共すでにいない。
居間のテーブルには、朝食と書き置き、現金三万円が置かれていた。
『カオルへ…私達は、仕事で2~3日留守にします。体調には気を付けて、勉強に励んで下さい』
カオルは、書き置きを破り捨てた。
カオル「病院に行こうか…いや、お爺さんに相談した方がいいかも…」
プルルルルルルル…
考えている所で、電話が鳴った。
ガチャ…
カオルは受話器を取った。
「もしもし、藤田さんのお宅でしょうか?」
電話をかけてきたのは、担任教師だった。
昨日も電話したと言う教師。両親に話があったようだが、しばらく居ない事を伝える。
勝手に早退した事を注意され、学校に来るように言われた。
両親に電話をされると、面倒だと考えたカオルは…学校へ行くことにした。
学校が終わったら、お爺さんの所に相談しに行こう…そう考えて、家を出た。
カオル「おっと…こんなのが見られたら、またイジメのネタにされるだろうな…」
いつもは第一ボタンを開けているワイシャツを、一番上までとめる。
ネクタイを締め、ブレザーを羽織って家を出る。
学校に到着してからも、首元の石が気になって、服の上から何度も触ってみる。
痛みは無い。
違和感すら無い。
カオル(…この石…まさか、昨日の夢と関係があるのかな?)
カオルは、ディザの顔を思い浮べた。
茶色の長い髪。
やや釣り上がった目。
艶やかな唇…白い肌。
カオル(ヤバい…昨日の事を思い出したら…変な気分になってきた)
午後の授業が終わった。食事を済ませたカオルは、トイレに向かう。
用を足して、出ようとすると…
ガチャ!!
草野達が、入ってきた。
草野「よう、お前…今日も学校来たんだなぁ。って事は、まだまだ遊び足りないって事だよなぁ!?」
ニヤニヤ笑いながら、草野がまたバケツに水を組み始めた。
草野の仲間達が、出口を塞いでいる…逃げられない。
バシャアァ!!
水をかけられ、ずぶ濡れになるカオル。
カオル「……」
ジュウウウゥ…
草野「なんだ?こいつ…身体から、湯気が出てるぞ!?」
身体を濡らした水が、蒸発していく…
そして、変化が起き始めた!!
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