Ⅹ詩。Ⅹ

カフェ。

気がつけばもう一時間もこうしてる。

かるく混雑したカフェに入り、ホットドックとアイスティーを注文した。

運良く一番端の壁側の席が空く。

ソファーの席に比べれば座りづらいけど、仕方ない。

席に座り、携帯と煙草を取り出す。

意味もなく電話帳をスクロールし携帯の発信ボタンを押す。

何を話したい訳じゃない。
何を聞きたい訳じゃない。

意味はないんだ。

煙草に火をつけながらたわいもない話を続ける。

電話を切れば、すっかり冷めてしまったホットドックにかぶりつく。

お腹が空いてるわけじゃない。

携帯で｢お気に入り｣サイトに接続して適当に見て回る。

特定な情報が欲しいわけでもない。

こうして壁にもたれ掛かってボーっとしてると、自分が風景になったような錯覚に陥る。

いつからこうしてるんだろう。

いつまでこうしてるんだろう。

さっき開けた煙草が空になったら、この空間から抜け出そう。