3/7
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
少し足早に屋上へ向かう。誰もいませんよーに。 屋上に着くと、すでに一人、ベンチに座っていた。 あーあυどうしようかな。屋上にはベンチが一つしかない。後ろから見る限り座っているのは男の人。隣に座るのは気まずい。 戻ろう。 そう思いドアノブを掴む。その時、 「……くっ…」 と小さな鳴咽が聞こえた。 驚いて振り返ると、どうやら男の人が泣いてるよう。 えっ!?どうしよう…。 こういう場合って何するべき?ハンカチ渡すとか?やっ、でも他人に泣いてんの見られたら嫌だよね。ここはそっと帰ろう…。 そんなことを思っていると、男の人の横顔がチラッと見えた。 私はその横顔に衝撃を受けた。 綺麗…… 人の泣き顔を、しかも男の人のを綺麗だなんておかしいかもしれないけど、素直にそう思った。 胸が高鳴る。何これ。もしかして一目惚れってやつ?泣き顔に惚れるなんて私趣味悪っ…υ しばらく見とれていると、いきなり男の人が立ち上がった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!