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少し足早に屋上へ向かう。誰もいませんよーに。
屋上に着くと、すでに一人、ベンチに座っていた。
あーあυどうしようかな。屋上にはベンチが一つしかない。後ろから見る限り座っているのは男の人。隣に座るのは気まずい。
戻ろう。
そう思いドアノブを掴む。その時、
「……くっ…」
と小さな鳴咽が聞こえた。
驚いて振り返ると、どうやら男の人が泣いてるよう。
えっ!?どうしよう…。
こういう場合って何するべき?ハンカチ渡すとか?やっ、でも他人に泣いてんの見られたら嫌だよね。ここはそっと帰ろう…。
そんなことを思っていると、男の人の横顔がチラッと見えた。
私はその横顔に衝撃を受けた。
綺麗……
人の泣き顔を、しかも男の人のを綺麗だなんておかしいかもしれないけど、素直にそう思った。
胸が高鳴る。何これ。もしかして一目惚れってやつ?泣き顔に惚れるなんて私趣味悪っ…υ
しばらく見とれていると、いきなり男の人が立ち上がった。
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