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「だって…自殺なんて悲しいじゃないですか。何があったかは知らないけど、人生長いんですからこれからいいことのひとつや「長くねぇんだよ!!!!」
私の言葉を遮って男の人が叫ぶ。
「もう…長くねぇんだよ…」
さっきとは変わって辛そうに呟く。
何だかこれ以上聞きたくない。でもちゃんと聞かなきゃいけない気がした。
「それは…どういう…」
「そのまんまだよ。俺はあと一年しか生きられない。」
それを聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
「えっ…」
「今日医者に言われた。末期のガンで余命一年だって。もう手遅れだって。どうせすぐ死ぬならもう生きててもしょうがない。だから自殺しようと思ったんだ。」
私は男の人が淡々と話すのを呆然と聞いていた。
この人はガンで。あと一年しか生きられなくて。それを聞いて絶望して。だから自殺しようとした。
たしかに重たくて悲しい。
でも……
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