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次の日からタクヤは毎日病室へ行った。
病室へ行き美佳の手を握りながら美佳へ話かけた。
返事など帰ってくるはずもない。
しかしタクヤはずっと話しかけ続けた。
タクヤが病室へ行くようになって三日目のことだった。
いつものように手を握りながら話しかけていると、美佳がかすかに手を握り返してきた。
「美佳?」
「…タ…クヤ…ごめんね…」
タクヤは子供のように泣いた。
美佳が戻ってきた…それがなにより嬉しかった。
「美佳ごめんな…俺が迎えに行ってれば…」
「タクヤは悪くないよ!私がドジなだけ…」
「退院したらまた遊び行こうな!」
「うん♪またゲーセンとか行きたいね♪」
タクヤは涙が溢れるのをグッとこらえて笑顔を見せた。
美佳の久しぶりの声、笑顔にタクヤは安心した様子だった。
「また明日来るからいい子にしてろよ!」
「は~い♪」
そういうとタクヤは軽くキスをして帰った。
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