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ドカ!!
進『無理すんなや。先輩』
砂埃とともに男が桜の木にぶつかった。
男A『……くっ、柊ぃぃ』
周りには先ほどの男達が倒れている。
進『喧嘩するような学校じゃねぇだろ。
ただでさえ中途半端なんだから。』
「ぺっ」っと唾を吐き進は口元を拭った。
彼の入学した清流高校は進学校でもなければ
スポーツで有名な高校でもない。
かと言って不良が集まる程荒れているわけでもない。
そこそこの偏差値でギリギリ私立大学へ合格するか
ほとんどが好き勝手遊んで就職と言う
いたって普通の公立高校だ。
進『こんな学校で意気がる理由もねぇだろ。』
進はポケットから煙草の箱を取り出した。
……が、空だった事に気付き、それを目の前で俯せに
倒れている男Aに投げ付けた。
進『そんな体力あんならもっとな……』
ガコン!!
そこまで言いかけた所で進の後頭部に固いものが当たった。
進『……っ痛…。』
振り返るとボロボロの男Cが金属バットを握りしめて立っていた。
進は後頭部に手をやる。
右手を目の前に向けると血がついていた。
男C『柊ぃぃ。やってやるょ~。俺は…負けらんねぇ~んだょ』
進『…こんな喧嘩に勝つとか負けるとかねぇだろ~が』
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