翼を無くした鷲

2/9
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
稚内沖防空識別圏内 「スカーレット1!!ミサイル接近!!回避せよ!!」稚内のレーダーサイトの管制官から切迫詰まった声が無線から響き渡る。 「畜生!!スカーレット2、回避しろ!!」スカーレット1と呼ばれた桐生亮(きりゅうりょう)一尉は僚機に警告するとともに自らもECMを最大にし、フレアーやチャフを撒いてミサイルを回避する。 「こちらスカーレット2!!反撃の許可を!!あのクソったれを撃ち落としてやる!!」同様に回避した亮の相棒大高健一(おおたかけんいち)は管制官に反撃を求める。 「キーホールよりスカーレットへ、反撃は許可出来ない。繰り返す反撃は許可出来ない」先程とは違う冷静な声が響く。 亮「クソったれが!!構わない!!撃ち落とすぞ!!」搭乗しているF-15Jに搭載しているAAM-4をレーダーに捕捉している敵機にロックする。 亮「スカーレット1、Fox-1!!」二発のAAM-4が機体から放たれる。 「か、回避を…」同じ亮達と同じ様に回避しょうとしたがそれを無視してAAM-4が機体を貫き爆発する。 攻撃を回避した三機のSu-37も自らが搭載していたR-77ミサイルを発射する。 健一「ブレイク!!」チャフとフレアーを使い果たした亮と健一はアフターバーナーを点火して機体を限界まで加速させて振り切ろうとする。 亮「クソ…俺は死ぬのか…すまん香織…」放たれたミサイルは亮を狙っているらしく彼の機体を追尾する。 健一「相変わらず世話がやけるぜ…相棒!!先に逝ってるぜ!!香織ちゃんの為に生き残れよ!!」健一は亮の機体に割り込み、全発命中して、爆散する。ベイルアウトした形跡は無かった… 亮「健一!!畜生!!畜生!!畜生!!……殺す……殺す!!」亮は機体を反転させて敵に向かって行く。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!