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すでに救急車の手配は済んでいたが、なにぶんにもこの天気。掛けた時点で『時間は当てにしないでください』と言い渡されていた。
それでも、かけるしか彼には出来る事がなく、苦しむ妻を励ますことしか出来ない。
「もうすぐ来る、頑張ってくれ!」
祈るような思い。
その時突然、鐘の音が響いた。
ゴーン、ゴーン。
初めて聞く音色に慌てて周りを見回すと、全身黒マントの人影。
その右手には、大きな鈍い光を放つ鎌。
それは余りにも、『死神』のイメージにベタな姿。
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