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守る君、傷つける僕
人は羨んで生きる生き物だ。
自分より少しでも幸せそうなやつを見れば、自分はあいつより不幸だと不安になる。
そして自分より不幸なやつを見れば、あいつよりはマシだと胸を撫で下ろす。
人と較べることでしか、幸せを測れない哀しい生き物なんだ。
今思えばあの頃の俺は、そんな幸せを測る物差しとしてちぃを見ていたのかもしれない。
毎日が不満で、毎日が不安。
咲かない花に自分を重ね、散って行く花にあいつを重ねてた。
そんなくだらない、誰よりも子どもじみた子ども。
恥ずかしくて未だに君には言えないけれど・・・。
感謝と贖罪と心からの敬意を込めて。
あの時の真実と本心を語ろうと思う。
光を失う現実を知りながら、それでも最後まで輝き続けた君に。
これから語る物語は、小さくて弱かった俺のくだらない物語。
そして自分の世界を君のために捧げると決めた小さな命を見つめ続けた物語。
隣で目を閉じる君のために・・・。
僕は全てを語ると君に誓おう。
礼於。
君が救った世界のために。
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