裏世界の組織

2/2
9701人が本棚に入れています
本棚に追加
/901ページ
彼等はとある建物の中に集まっていた。 台座を囲み、大きな地図を広げている。 「集まったな………」 一人の男が前に出た。 大きな傷で片目が潰れている。 「待て、全員で7人のはずだ。 その小娘はなんだ」 魔導師らしき男が 1つの席の後ろにいた少女を指した。 「こいつか?」 すると、仮面をつけた男が返事をした。 「拾った」 「拾ったって………」 あまりに簡単に済ませた言葉に男は絶句する。 「拾った、で、魔法かけた」 「どんな魔法だ……?」 「また〈心〉の魔法か……」 「正解」 男はそれを聞いてもう何も言わなくなった。 納得したらしい。 「……もう始めていいな。 これを見ろ」 片目の男は地図を指した。 そこは城内一の大きさを誇る火薬庫。 魔法を使えない者に武器を作るための倉庫だ。 「いいな? ここを3日後に……―――」 男は細かい説明を終えた。 「―――……と言うことだ。 問題ないな?」 「あってもやるしか無いんだろ?」 「そう言うことだ」 男達は次々と席を立つ。 「なら次会う時は3日後だ」 「おい、〈ソレ〉はどうするんだ?」 片目の男は少女を指して言った。 「ん? ああ、これ?」 男はニヤッと笑って中指を立てた。 「作戦備えて用意した! もう潜ってる!」 「そうか、ところでそれは死ぬ覚悟は出来ているということか?」 「ん? あ、間違った間違った」 親指を下に向けた。 「……………」 「じゃな。 行くぞ」 男はポケットに手を突っ込んで行ってしまった。 その後を少女はそそくさとついていく。 その目には涙が浮かんでいた。 「………全く……。 何であんな奴が本部から送られて来たんだ………?」 片目の男は呟く。 仮面の男の名はコントローラー【操る者】。 それが本当の名ではないだろうがそう呼ばれている。 この組織の中では珍しい禁断魔法、〈心〉を使える者だ。
/901ページ

最初のコメントを投稿しよう!