それぞれの目覚め。  

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次男の布団は、部屋の 一番北に位置する場所にある。 その隣に、私。 更にその隣に三男が寝ており…。 夫は、それを挟んで、 一番南側に寝ていた。 …ちょっと、有り得ない距離からの『瞬間移動』である。 時々、寝る場所を変える事はあったが…。 その日は、確か―。 次男と夫の間には、 三男が、まだグッスリと大の字を描いて、眠っていた…筈だった。 次男本人も、 爆睡していた筈なのに。 一体、どうやって移動したのだろうか? まあ、確かに。 転がれば到達出来ない 距離ではない。 だが、 間には三男がいる。 もしや次男は、寝ている弟を『乗り越えて』、 夫の布団に、潜り込んだのだろうか――? 謎が謎呼ぶ、 イリュージョン睡眠だ。
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