それぞれの目覚め。  

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…このように。 次男のイリュージョンは今も時々、見られる。 どの布団の中にも、 居ない事もある。 一体何処へ消えたのかと思えば、布団と布団の 僅かな隙間に、挟まっていたりする。 まるで…。 歯と歯の間にビトゥイーンしている、『食べかす』の様な姿だ――。 圧死しなかったから、 良かった様なものの…。 もしこの上に、 何かの拍子で、 夫の巨体が乗っかって来ていたら―と考えると、背筋が寒くなる。 こんな、切迫した状況にありながら―。 何も知らずに、 爆睡していられる次男を見るにつけ―。 我が子ながら、毎度、 驚きを隠せない。
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