47人が本棚に入れています
本棚に追加
気がついたら目が覚めていた。
喉を擦ってみる・・・
切れてない。。
目には涙が溜まっていた・・・
未来はカーテンを開け、窓の方に目をやった・・・
相変わらず空は雨模様だった。
「チッ、今日も雨かよ」
涙を拭いながら、不貞腐れるように言った。
今の季節は、6月の終わりだった。
全く梅雨明けがしないクセに気温だけは、真夏日のような暑さで、この上なくジメジメしていた。
また布団の上に寝転がり、箱を手にした。
「やべ・・タバコ切れんし」
そう言い、慣れた手つきでタバコに火を点けた。
「フ~ッ」
部屋が一瞬にして煙くなる。
そして、未来は自分がさっきまで見ていた夢を思い出してみた。
目を瞑ると鮮明に頭の中から甦る・・・
あの夢は一体なんなんだろう
物心がついた時からたまに同じ夢を見る。
まるで自分がその場にいるような感覚
リアルな痛み・・・
そしてあの男は何故、着物なのか?
自分も何故、着物なのか・・・
夢の意味は・・・?
未来は一つ一つの出来事を思いだすかの様に頭を張り巡らした。
何故か頭痛がしてくる。
いつもの事だ・・・
『ただの夢に決まってんじゃん』
そう心の中で呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!