暗影

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気がついたら目が覚めていた。 喉を擦ってみる・・・ 切れてない。。 目には涙が溜まっていた・・・ 未来はカーテンを開け、窓の方に目をやった・・・ 相変わらず空は雨模様だった。 「チッ、今日も雨かよ」 涙を拭いながら、不貞腐れるように言った。 今の季節は、6月の終わりだった。 全く梅雨明けがしないクセに気温だけは、真夏日のような暑さで、この上なくジメジメしていた。 また布団の上に寝転がり、箱を手にした。 「やべ・・タバコ切れんし」 そう言い、慣れた手つきでタバコに火を点けた。 「フ~ッ」 部屋が一瞬にして煙くなる。 そして、未来は自分がさっきまで見ていた夢を思い出してみた。 目を瞑ると鮮明に頭の中から甦る・・・ あの夢は一体なんなんだろう 物心がついた時からたまに同じ夢を見る。 まるで自分がその場にいるような感覚 リアルな痛み・・・ そしてあの男は何故、着物なのか? 自分も何故、着物なのか・・・ 夢の意味は・・・? 未来は一つ一つの出来事を思いだすかの様に頭を張り巡らした。 何故か頭痛がしてくる。 いつもの事だ・・・ 『ただの夢に決まってんじゃん』 そう心の中で呟いた。image=88231594.jpg
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