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昼休み、理央は宣言したように私を迎えに来る。
「葉子先輩!お昼行きましょう?」
「ん。」
私は照れ隠しにうつ向きながら短く返事をする。
「今日は何処で食べますか?」
「ん?…何処でもいいよ。」
理央と居られるなら何処でもいい。理央と二人になれる場所なら何処でも……。
「…じゃあ、裏庭で良いですか?」
「そだね。そこでいいよ。」
裏庭はあまり人が寄り付かない。草木が笈重っていて、如何にもでそうだからだ。
でもそこを抜けると綺麗な場所だなんて知ってる人は少ないだろう。
私も理央に教えて貰うまでは知らなかった。
「この辺で食べましょうか?」
「うん。」
二人で居るときの会話は大抵、理央が話題をふってきて私が『うん』とだけ返事をする。
本当はもっと話したいんだけど恥ずかしくてできない。
私はコンビニの袋からジュースとおにぎりを取り出す。
喉が渇いていたからジュースに手を伸ばす。
「ねぇ、先輩。」
「ん?」
私はストローをくわえてるのでぶっきらぼうっぽく返事を返す。
「私、先輩が好きです。」
「ぶっ!!!!」
私は飲んでいたジュースを吐き出しそうになる。
「何?!いきなり、」
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