―第1章―

5/9
612人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「葉子先輩!」 放課後、いつものように理央が迎えにくる。廊下で無邪気に手を振る仕草が可愛い。 「そんなに手、振らなくてもいいよ!…恥ずかしい。」 私は教室から廊下へ向かいながら言った。 どうして私は素直になれないんだろう? 「ごめんなさぁい」 「じゃあ帰るよ?」 「…はぁい」 帰り道、私と理央は少しだけ離れて帰る。1日目は肩と肩が触れ合う距離だったけど私が『恥ずかしい』って言ってしまい友達の距離であるく事になった。 「先輩、今日は先輩の家に行っても良いですか?」 「ん?…あぁ、別に良いよ」 「やったぁ!久しぶりだぁ」 無邪気に喜ぶ理央。 本当は毎日でも来てもらいたいんだけどね。親に会わしたくないって言うか……。 理央の事だし『葉子先輩とは付き合ってます!』…とか言い出しそうだからね。親の居ない日に家に呼ぶんだぁ。 「ただいまぁ」 誰も居ないのは知ってるけど一応…ね。 「おかえりぃ」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!