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暗い暗い闇の中…
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ここはどこ?
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…
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どれ程の時間をここで過ごしただろうか…
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別に居心地が悪いわけではない。
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暗闇だが、むしろ温かくて心地よい。
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ずっとここにいてもいぃ…
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そんな気がした…
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私はここで更に時を過ごした。
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そうして、ある時、声が聞こえた…
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【さぁ、旅立ちなさぃ…】
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その声の元へ私は向かった。
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声の主に近付く度に、すごく身を締め付けられた…
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しかし私は声の主の方へ進み続けた。
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そして追い続けた結果、固く閉ざされた扉に行き着いた。
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また声の主が言う…
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【その扉を開けなさい…】>
私は言われるがままに夢中で扉を開いた…
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しばらくして、私はやっと扉を開けることができた。
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扉を開けた瞬間、とてつもなく明るい光が私の目に飛び込んできた…
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声の主が微かな声で話した…
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【ようこそ、この世界へ…】
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その時、私は初めて悟った。
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温かく心地よいのは母の中だったからだと…。
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暗闇の中の声の主が、母であったことを…。
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