赤い鈴――老婆

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「今日もだめ…」 今日で、3ヶ月、彼から全く手紙が来なくなった。 徐々に不安になり、周りの人たちも、 「彼、もしかしたら…」 「あぁ、たぶん、もぅ死」 「そんなことない!そんなわけないわよ!!彼は、絶対生きて帰ってくるんだから!!」 「しかし、もう3ヶ月も連絡がないんじゃあ…」 「違う!!!!そんなことない!!!!!!」 涙が溢れてきた。 「でも、……」 「違う!違う!嘘をつく貴様らの舌なんてちょんぎって捨ててやる!!!!!!!! ずっと待つんだ!!彼を、待つんだ!!!!!!!!!!」 そういうと、彼女は、自分の部屋に閉じこもった。 (そんな事、絶対無いんだから) そっと、部屋にある金魚鉢をのぞくと、水面に写った私の顔が、くるくる流れているように見えた。 しかし、そんな彼女を追い詰める、最悪の事態が……
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