赤い鈴――手紙

5/5
前へ
/77ページ
次へ
「‼‼‼」 彼女は、その場に崩れ落ち、涙が溢れ出てきた。 (平気な、平気なわけが無い。貴方がもし、死んだりでもしたら……) その時、彼が顔を上げて何かを差し出してきた。 よく見ると、それは、彼がいつも大事にしていた、赤い鈴。 「それは……?」 「僕の大事な宝物、君に預けるよ。僕がいない間は、それを僕だと思ってくれ。」 「……うん、…ありがとう」 「大丈夫、いつかきっと、取りに来るよ。向こうにいる間も、毎日手紙を書くよ。」 彼は、彼女を励ますため、出来る限り、明るくふるまっていた。 彼女もそれに気ずき、 「うん🎵」 精一杯の明るい笑顔で答えた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加