赤い鈴――老婆

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そして、いよいよ出立の日 彼の見送りには、たくさんの人が集まった。 「頑張ってこいよ」 「国のために……」 等、たくさんの声援を浴びている。 周りが賑わう中、彼が私の方に、近づいてきた。 「大丈夫、僕は死なない。また必ず君のところに帰ってくるから。」 「うん。待ってるから。」 「じゃ、いってきます。」 「いってらっしゃい。」 彼女は、とびっきりの笑顔で、精一杯手を振り、彼を見送った。
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