🌸春の木漏れ日の中で…🌸

🌱芽生えた気持ち🌱

「あっ…惇。おはよう!」
惇がまさか後ろにいるとは思わなかった。

「拓哉、ちょっとお取り込み中いいかい??」

僕は詩織に少し惇の所に行く事を伝えた。

「うん!!」
詩織は僕を待っているので僕は出来るだけ手短かに話を済ませたかった。

惇は詩織に聞こえないくらいの声で話し始めた。
「拓哉、女に手出すの早すぎじゃね??」

「えっ!?いや…そんなんじゃ…」
こいつは完璧に誤解しきっている様だ。

「だって昨日といい今日といい…まっ俺は関係ないんですけどね。」
惇から昨日の事も見られていた事に少し驚いてしまった。
「いや、あれは仕方ないだろう…」

「で…あの子の事…好きなの？」
惇が僕に変な質問をぶちまけて来た。

「そ…それは…」
そこで僕は惇に答える事が出来なかった。

「へぇ～、まぁ頑張れよ。」そこで詩織がこちらに寄って来た。

「ねぇ～さっきから何話してるの??」
さすがに会話の内容が気になった様だ。

「別に大した話じゃないよ！」
僕と惇はすかさず答えた。同時に答えるからなおさらなのだがやはり疑われた。

「私の悪口とかじゃないよね??」
詩織は不安げに言う。

「いや、そんなんじゃ…」
僕は息詰まった。

「いやいや、二人が仲良さげで良かったなって思っただけ。いけねぇっ!学校遅れちまう！」
惇が壊した空気をまた戻した。

そして惇はその場からそそくさと立ち去った。

僕は惇の一言で自分の気持ちに気付いてしまった。