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数分後、昼食を食べ終えた僕は、自分の教室へ戻った。
そして自分の席に着くと、隣りには変わらず詩織がいた。
「要田君、さっきの人は誰??」
「あ…あれは俺の元カノなんだ…」
「元カノ…そうなんだ。」
それから二人の会話にしばらく間があった。
そして再び話し始めたのも詩織。
「ねぇ…要田君、明日は私とお弁当食べてくれる??今日は一人で寂しかった。」
えっ?!これは…まさか…いや、僕は考え過ぎだ。ただまだこのクラスに馴染めてないだけなんだろう。とりあえず僕は嬉しかったので返事をした。
「うん!明日は一緒に食べような!」
香苗の心理が気になったが、今は詩織の事しか頭になかった。
詩織の表情がいきなり明るくなったので僕も嬉しくなった。
「好き」って…こういう些細な事を言うのかな??
それから、僕は授業に集中しているかしてないかわからないまま、放課後を迎えた。
クラスの皆がぽつぽつと帰りだした。
僕は勇気を出して、詩織に言った。
「ねぇ、皆川さん一緒に帰らない??」
「うん!!帰ろうよ。」
少しでも期待していて良かった。
それから、教室を出た僕は、恥ずかしがりながらも詩織と並んで歩いた。
靴を履き替えて、学校を出ると、詩織が口を開いた。
「ねぇ、お互いあだ名で呼び合おうよ!!せっかく仲良くなったんだし。」
「あっそうだよね…!で…俺は何て呼べば…」
急に言われたものだから、恥ずかしくて頭が回らなかった。
「私ね、前の学校ではあだ名で呼ばれてなかったんだ…だから、やっぱり要田君考えてよ。」
「えっ…じゃあ俺は普通に詩織って呼びたいかも…」
この時はさすがに顔が真っ赤になった。
「なるほど…それも有りだね!!じゃあ私も拓哉って呼んじゃお♪」
「た…た…」
頭がおかしくなりそうだった…
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