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そして…授業中も詩織の方をちらちら見てしまった。
それを惇が見て笑っていた。
このチクリ野郎め。僕は暇があれば惇に香苗の事を聞き出す事にしようと思った。
―そして昼休み―
僕は四時間目から、心臓がバクバク言っているのがわかった。
そして今、爆発しそうな程心臓が鼓動している。
「拓哉…弁当…」
詩織の弁当を鞄から取り出す手が震えていた。詩織も緊張してるんだ。
「う…うん。じゃあ屋上で食べようよ。」
僕も弁当を取り出した。教室を出る時、クラスの数人から見られている気がしたが気にはならなかった。
そして屋上に着くと、僕は眺めのいい所に座った。
すると詩織もちょこんと距離はあるものの隣りに座った。
詩織の弁当箱は可愛いかった。僕の親父臭い弁当箱とは違ってキャラクター物のピンクの弁当箱で、それを開ける詩織はまた可愛いかった。
「じゃあ食べようか…緊張する…」
詩織が急に物静かになった。
「どうしたぁ??」
僕も緊張していたが、少しからかいたくなったので詩織に聞いてみた。
「だって男子と二人きりなんて緊張するじゃん…」
そういえば完全に二人きりになるのは初めてだった。
登校の時も放課後も二人で歩いて来たけど周りには数人は人がいた。
だけど、今は誰もいない。
「そ…そっか、まぁ食べようよ。」
僕も弁当箱を開けようとしたが緊張で力が入りすぎて、弁当箱のふたを飛ばしてしまった。
それを見て詩織が笑ってくれたので少しは緊張がほぐれた。
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